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マシンピラティスパーソナルレッスンが側弯姿勢に効果的な理由

  • 執筆者の写真: Yusuke Takayama
    Yusuke Takayama
  • 7月8日
  • 読了時間: 4分

□はじめに


「鏡を見ると、肩の高さが違う気がする…」「整体や整形外科では“側弯”って言われたけれど、手術するほどではないみたい」

そんな“軽度の側弯”に悩む方は意外と多くいらっしゃいます。


側弯症(そくわんしょう)は、背骨が横に曲がり、ねじれを伴う脊柱変形のこと。とくに思春期に発症しやすい「特発性側弯症」は、放置しても命に関わることは稀ですが、姿勢の崩れや筋肉のアンバランス、慢性的な肩こり・腰痛、お腹の張りや腹痛の原因になることも。


手術や装具を要さない軽度〜中等度の側弯に対して、近年注目されているのがマシンピラティスによるパーソナルトレーニングです。

本記事では、なぜマシンピラティスが側弯姿勢に対して有効なのか、科学的な視点から丁寧に解説しながら、具体的なアプローチ方法をご紹介します。



□側弯と身体のアンバランス


○筋肉の非対称性と可動性の制限


側弯姿勢では、背骨の湾曲に伴って左右の筋肉バランスが崩れます。


・凸側(背骨が出っ張っている側)の筋肉は短縮・緊張しやすい

・凹側(へこんでいる側)の筋肉は弱化・伸張しやすい


その結果、次のような症状が現れることがあります:

• 肩や骨盤高さの左右差

• 背中の盛り上がり(肋骨隆起)

• 呼吸の浅さ

• 腰痛や肩こりの慢性化


○一般的な運動では補正しきれない理由


通常のストレッチや筋トレでは、「左右均等」に動かすことが前提になっているため、側弯特有の非対称性にアプローチするのは難しいのです。



□マシンピラティスが効果的な3つの理由


○1. 非対称な動きに細かく対応できる


マシンピラティスでは、スプリング(バネ)の強度を細かく調整し、動きのアシストや負荷の微調整が可能です。これにより、

• 凹側の筋力を少しずつ補強

• 凸側の筋緊張をやさしく開放

• 骨盤と肋骨のポジションをニュートラルに誘導


といった個別対応ができます。


○2. 呼吸と姿勢を同時に整える


ピラティスは呼吸と動きを合わせてコントロールします。これは側弯によって制限されやすい肋骨の可動域に働きかけます。

シュロス法(Schroth Method)をはじめ、近年の側弯治療の主流も「呼吸による肋骨の再教育」が重要視されています。


ピラティスでは、呼吸を意識しながら動くことで、


・肋骨の左右差を整える

・インナーマッスルを活性化させる

・体幹の中心軸を再獲得する


という効果が期待できます。


○3. パーソナルだからこそできる「評価→修正→定着」


マシンピラティスのパーソナルレッスンでは、以下のような評価と修正のプロセスを踏みます。

• 姿勢・背骨の湾曲・骨盤の傾きなどを評価

• 弱い筋・硬い筋に合わせた一人ひとりのエクササイズ設計

• 継続的なセッションで「体の使い方」を定着させる


この流れがあるからこそ、“やっているつもり”ではない、本当に姿勢を変えるアプローチが可能になるのです。



□オススメのエクササイズ


以下は、側弯姿勢の改善に効果的な代表的マシンピラティスのエクササイズです(すべてパーソナルで安全に指導を受けることが前提です)。


○リフォーマーでの「マーメイド」

• 背骨を長くエロンゲーションの意識を保ちながら側屈動作を行い左右の筋肉の長さを調整

• 側屈からの回旋や伸展のバリエーションにより滑らかな脊柱の動きを促す


○キャデラックでの「フロントアンドバック」

• サイドライイングのニュートラルポジションを取ることで骨盤の傾きを修正

• 回旋の外乱に対してニュートラルを保つ


○チェアでの「ニーリングサイドアーム」

• チェアのペダルと押し込みながらの側屈、相反抑制により反対側の筋肉を伸張させる

• 左右の筋肉の長さを調整しながら行う



□アールアップでできること


横浜の都筑区にある「ピラティススタジオアールアップセンター北」では、側弯姿勢に対するマシンピラティスのパーソナルセッションを提供しています。

• 理学療法士や医療系国家資格者、トレーナーによる評価+プラン設計

• 一人ひとりの側弯パターンに応じたマシンエクササイズ

• 姿勢の「見える化」によるビフォーアフター管理

• 継続しやすい呼吸法・セルフケア指導


「姿勢を根本から整えたい」「整体では変わらなかった」という方にこそ体験してほしい内容です。



□おわりに


側弯姿勢は、見た目の問題だけではなく、身体のバランス・呼吸・疲れやすさなど、私たちの日常の快適さに深く関わっています。


ピラティスのパーソナルレッスンは、単なるエクササイズではなく、

「自分の体を正しく知り、整え、使えるようになる」ためのプロセスそのもの。



 


□参考文献

• Weiss HR, Moramarco M. “Scoliosis—Current concepts and treatment options.” Current Pediatric Reviews.

• National Library of Medicine. “Effects of physiotherapeutic scoliosis-specific exercises in patients with adolescent idiopathic scoliosis.”

• 飯田陽子, 柴田多恵子 他「側弯症に対する運動療法の効果」理学療法科学, 2007

• 小林洋子「ピラティスによる体幹機能と姿勢への影響」理学療法ジャーナル, 2015

• Schroth C, Weiss HR. “The Schroth Method for scoliosis treatment: evidence and rationale.”


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