ピラティスとリフォーマー〜ピラティスさんはどうしてリフォーマーを開発したのか?〜
- Yusuke Takayama
- 6月17日
- 読了時間: 3分
更新日:6月19日
□「もう一度、自分の体を取り戻したい」──リフォーマーは、そんな想いに応えるために生まれました。
○ ピラティスといえば、スタジオに置かれた“マシン”を思い浮かべる方も多いかもしれません。その中でも、象徴的な存在が「リフォーマー」と呼ばれる器具です。
でも実はこのリフォーマー、ただの運動器具ではありません。ピラティスの創始者であるジョセフ・ピラティスが「動けない人のために」開発した、**“身体を再教育するための道具”**だったのです。
□第一次世界大戦、収容所での看護から生まれた発明
○ 時は1914年。第一次世界大戦のさなか、ジョセフはイギリス国内の収容所で抑留されていました。そこで彼は、戦争で傷つき、ベッドに寝たきりの兵士たちの看護を任されます。
・「自分の体が動かない」・「リハビリがしたくても、方法がない」そんな声に応えようと、彼はベッドに使われていたスプリングや鉄パイプを改良し、寝たままでも身体を動かせる装置を作り始めました。
○ これが、現代のリフォーマーの原型です。ベッドの上で、安全に、でもしっかりと負荷をかけながら体を整えるための“知恵と工夫”が詰まったマシンでした。
□「動くための力」を呼び覚ますために
○ ピラティスは考えました。「人は、ただ筋肉を鍛えるだけでは本当に変わらない」「正しく動ける身体、そしてそれを“感じ取れる感覚”が必要だ」
・リフォーマーは、動きの支えとなるスプリングの抵抗を利用し、・負担を減らしながら、関節や筋肉の正しい使い方を“身体に思い出させてくれる”道具。・“ただ頑張る”のではなく、“うまく使えるようになる”ことにフォーカスしていました。
○ この発想は、今でいう運動療法・神経筋再教育と非常に近い考え方。リフォーマーはまさに、当時としては革新的な“動きのリハビリマシン”だったのです。
□そして現在へ──100年を超えて、愛され続ける理由
○ 現代のリフォーマーは、素材も構造も進化しました。滑車の性能、スプリングの強度、ロープやバーの調整機構…見た目はずいぶん洗練されましたが、その**「身体を整えるための本質」は変わっていません**。
・特にリフォーマーは、腰痛や肩こり、姿勢改善、術後のリハビリなど・“動きのクセ”を整えるためのツールとして、世界中の理学療法士やトレーナーに使われています。
○ 研究でも、ピラティスの効果は明らかになっています。
・慢性腰痛の改善・体幹機能の向上・バランス能力と柔軟性の回復→ ピラティスの中でも、リフォーマーを使ったエクササイズは特に効果が高いと報告されています。
□「自分の身体を、自分で取り戻す」──それが、リフォーマーの真の目的です。
○ ピラティスさんは、こんな言葉を遺しています。
「10回で違いを感じ、20回で見た目が変わり、30回でまったく新しい身体になる」
○ この言葉の通り、丁寧に、静かに、誠実に動き続けることで体はちゃんと応えてくれる。それを実感できるのが、リフォーマーを使ったピラティスの魅力です。
○ もしあなたが、「もう一度、自分の身体と向き合ってみたい」「ずっと大切にできる身体を作りたい」そう思っているなら、リフォーマーはきっとその“最初の一歩”になります。
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参考文献:
・Joseph Pilates & William J. Miller『Return to Life Through Contrology』(1945)・Wells C, et al. PLoS One(2014)・Cruz-Ferreira A, et al. National Library of Medicine(2011)・Balanced Body® 製品アーカイブ・Lolit
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