子どもピラティス①「なぜ今、子どもにピラティス? 〜姿勢・集中力・運動苦手を抱える子どもたちへ〜」
- Yusuke Takayama
- 6月24日
- 読了時間: 4分
◻︎はじめに
子どもたちの姿勢が気になる。じっと座っていられない。体を動かすことが苦手。——そんな悩みを、私たち大人は日常の中でよく耳にします。
実際に、現代の子どもたちは「体をうまく使えない」ことで、姿勢の崩れや集中力の低下、運動嫌いなど、さまざまな心身の問題を抱えているケースが増えています。
こうした課題に対して、今、注目されているのが「ピラティス」です。
大人のボディメイクやリハビリとして知られているピラティスですが、実は発育期の子どもにとっても非常に有効なメソッドであることが、国内外の研究からわかってきています。
⸻
◻︎現代の子どもたちに起きていること
○姿勢の乱れがもたらす影響
小学校低学年の段階で、猫背や反り腰、巻き肩といった不良姿勢が目立つ子どもは珍しくありません。その背景には、運動不足やデジタルデバイスの使用時間の増加があると指摘されています(厚労省, 2020)。
こうした姿勢の乱れは単なる見た目の問題ではなく、呼吸機能・集中力・消化機能などの低下にもつながることが報告されています(Keppler et al., 2019)。
○体の使い方が苦手=自信を失うきっかけに
子どもたちは「走るのが遅い」「体が硬い」「すぐ疲れる」など、小さな体験の積み重ねで「自分は運動が苦手なんだ」と思い込みやすくなります。
しかしそれは、そもそも体幹や筋肉を正しく使う「感覚」を知らないだけという場合も少なくありません。
⸻
◻︎なぜ子どもにピラティスなのか?
○ピラティスは「動きの土台」を育てる
ピラティスは、ただ筋力をつける運動ではありません。呼吸・姿勢・重心・動きの連動を丁寧に整えることで、「正しく体を使う感覚」を身につけていくメソッドです。
これはまさに、体が未発達な成長期の子どもたちにこそ必要なトレーニングです。
⚪︎注意力・集中力の向上
・ピラティスは「今の自分の身体に意識を向ける」ことをベースにした運動法です。呼吸と動きを連動させることで、感覚統合力が高まり、ADHD傾向のある子供にもポジティブな変化が報告されています(Kim & Kim, 2022)。
・姿勢が整うことで座位保持や学習姿勢が改善し、結果的に学習への集中力も高まるケースが多く見られます。
○集中力が自然と育まれる理由
ピラティスでは、動きを「感じる」「意識する」ことが重視されます。これは、マインドフルネスのような効果を持ち、子どもたちの集中力や内省的な感覚を養うことにもつながります(Koeppen et al., 2020)。
○研究でも明らかに
国際的な研究では、小児期におけるピラティスの実践が、以下のような効果を持つことが報告されています。
・体幹の安定性向上
・柔軟性とバランス感覚の改善
・不安・抑うつ傾向の軽減
(参考文献:Oliveira et al., 2017 / National Library of Medicine)
⸻
◻︎アールアップでできること
○子どもに合わせたピラティス指導
ピラティススタジオアールアップセンター北では、一人ひとりの子どもの成長段階や性格、体の特徴に合わせた指導を行っています。
姿勢のクセや呼吸の浅さ、緊張しやすい心の傾向など、目には見えにくい課題も丁寧に見つけていきます。
○「できた!」の積み重ねが自信になる
アールアップでの子どもピラティスは、「できなかったことが、少しずつできるようになる」ことを大切にしています。
難しいことを一気に詰め込むのではなく、「自分の体を感じて、コントロールできるようになる」ことが自己肯定感につながります。
○親子で一緒に体験も可能です
お子様の変化を一番近くで感じていただけるよう、親子での参加も歓迎しています。親が見守っているという安心感が、子どものチャレンジを後押しします。1回50分のレッスンの中でお子様と同様のエクササイズを一緒に行っていただけます。
⸻
◻︎おわりに
子どもの姿勢や集中力、体の使い方に不安を感じたら、それはピラティスという「からだとの対話」を始めるサインかもしれません。
大切なのは、できる・できないではなく、「体と心の土台を整える経験」があること。
成長の土台づくりに、ピラティスという選択肢を——。
⸻
⸻
📚参考文献
• Oliveira LC, et al. Effects of Pilates on Children and Adolescents: A Systematic Review. National Library of Medicine, 2017.
• Keppler AM, et al. Posture and Mental Performance in Children. Int J Environ Res Public Health, 2019.
• Koeppen K, et al. The Effects of Mindfulness Training on Children’s Attention and Executive Function. Child Neuropsychology, 2020.
• 厚生労働省:健康日本21(第二次)小児期の運動指針, 2020年.
Comments